● オフショアファンド・ヘッジファンド

世界にはその国、地域の歴史的、環境的事情により、非居住者(外国人)に対し、租税環境を優遇している地域が存在いたします。世界の資産家が資金を預けるとよく言われますヨーロッパのスイスは、その代表的な存在で、アジアでは、香港、シンガポールもそのひとつです。
Tax HavenのHavenとは(港、避難所)という意味で、嵐が来たとき船が港に停泊して避難するのと同様に、直訳しますと(税の港、避難所)とでも申しましょうか、日本語では(租税回避地)と訳され、決して税金天国ではございません。

近年、そういった地域はオフショア金融センター(Off-shore Financial Center)と呼ばれており、同じ意味に使われます。(以下オフショアと呼びます)本来オフショアとは、「沖合い」を意味しますが、近年日本ではオフショアを「海外」の意味で使うようになりました。とりわけ金融の世界では歴史的、環境的事情により、非居住者(外国人)に対し、租税環境を優遇している「国」や自治権を持った「地域」のことを指します。またオフショア金融機関のほとんどが、タックスヘイブン(租税回避地)に拠点を構えています。タックスヘイブンの国にある口座、投資資産、資産および会社の収益のほとんどは非課税になります。しかしオフショアを使う理由はそれ以外にもたくさんあります。

個人および法人にとって、オフショアのメリットとして以下のことがあげられます。

プライバシーの保護

税制上のメリット

資産の保護

規制に関するメリット


プライバシーの保護

オフショア機関は個人及び企業情報を開示する義務がないため、個人情報や取引を保護するために、プライバシーと秘密性を提供しています。簡単に説明すると、あなたがマネーロンダリングや麻薬の密輸等に関連していたと証明されない限り、個人情報が政府機関や税務局に漏れることはありません。

ファイナンシャル・プライバシーとは過去の言葉になりつつあります。ほとんど全ての銀行およびATM取引・処理が法律上、記録されデータベースに保管されています。そのため個人および法人の財産がアセットコレクターに把握され簡単に訴訟のターゲットとなってしまいます。

道徳的かつ、法律に沿ってプライバシーを保護することで、機密性の高い情報を管理することができます。オフショア口座に資産を預けることでアセットコレクターへの情報漏れを防ぐこともできるのです。消費者金融機関や政府機関は海外の口座記録や取引へのアクセスはありません。国内にある財産は海外の会社(IBC)やトラストの名前で保有することもできます。これにより財産がアセットコレクターや様々な機関に突き止められないことを保証します。このような方法を利用することで、個人および法人はターゲットにされにくくなり、訴訟が起きる可能性を抑えることができます。オフショアを活用しプライバシーを保護することで、自分の資産を守るか失うかの違いを意味するかもしれません。

税制上のメリット

メリットとしては第一に非居住者に対しては税制上の優遇措置があることがあげられます。

また、世界の"金融特別区"ですので、複数の通貨で資産を運用することによる"国際分散投資"が可能になります。しかも、ファンドはファンドマネージャーと呼ばれる金融のプロが代わって運用し、通常は投資が規則に則ったものかどうかを審査するカストディアンと呼ばれる銀行が独立して資金を監視します。歴史があり、安定したファンド会社を選べば、日常生活上、投資の為の時間を費やしたり、心配する必要がありません。

オフショアでは預金、投資資産、資産や会社の収益のほとんどが非課税で成長していきます。これは税金を避けているわけではなく、資産をオフショアで保有している間、様々な税制上のメリットを受けられるということです。ですから、資産を国内に持ち込んだとき初めて、課税対象になる可能性がでてきます。これは、そのときの個々の国籍と居住地によって異なります。

資産の保護

オフショアを利用し資産を保護するにはたくさんの方法があります。(投資商品、IBC(インターナショナル・ビジネス・カンパニー)、オフショアトラスト、オフショアバンク等)

これらは以下のことから資産を保護します。

官僚の侵入

訴訟や資産の差し押え


簡単にまとめるとオフショアのプライバシー・ルールが資産の保護をしているわけです。さらにIBCやトラストを加えることにより、より厳密に資産を多くの目から法律上保護することができます。

訴訟は毎週起こっています。前妻、過去のビジネスパートナー、不満を持った社員や略奪を狙う弁護士など様々な人がターゲットを見つけて訴訟を起こしてきます。もし、その訴訟に負けでもすれば、今までの人生の中で得た貯金や固定資産を手放すことになるかもしれません。しかし資産をオフショアに所有することにより、賢明かつ効果的に悪質な訴訟から守ることができます。

オフショアに資産を所有すると、国内の法廷から手が届くことはありません。訴訟が行われた場合、被告は国内にある資産を没収されることはありますがオフショアにある資産に触れられることはありません。オフショアにある法廷は、国内で受けた判決に対して承認いたしません。これにより、オフショアに移した資産は秘密性、安全性を保ち永続的に所有することができます。オフショアに資産を移すことにより、「自分の物はつねに自分のものである」という安心感を生み出します。

規制に関するメリット

税金の高い国々では、投資者を保護するために規制が厳しいのが現実であり、それは正しいことです。しかし、規制がとても厳しいためオンショアファンドマネージャーは、投資機会の選択幅が制限されていると感じているのも事実です。彼らにとって、オフショアファンドマネージャーが規制の緩やかな環境で得ているリターンと競争するのは難しいことです。オフショアの裁判官轄地にはたくさんのとても発達した規制システムがあります。そこは米国や英国を元にした規制システムでありながら、ファンドマネージャーは投資者のリターンを最大限にすることに集中できるため、余分な時間と労力を厳しい規制に捕らわれることなく、投資者にとっても有益な、より自由な環境が与えられております。このような理由があるためオフショアファンドは、ほとんど常にオンショアファンドより優れたパフォーマンスをだすのです。
オンショアの国々の厳しい規制の中、過剰な規則や官僚が国内のビジネスや活動を悩ませています。制限が課されることにより、コンプライアンスに時間を要します。この問題の簡単な解決策は、制限が良心的な国へ移動することです。オフショアの裁判管轄地は国際的にビジネス・フレンドリーであり、規制がシンプルで分かりやすく、低いコストで遵守することができます。ビジネスをオフショアに移し、心地良い環境でビジネスを楽しむためには、オフショア会社を設立し資産を国内から海外に移動するだけでよいのです。

これらすべて合法なのですか?

ご自分が使われている銀行や証券会社を信用していますか?
おそらく彼らもオフショア事業を行っているでしょう。世界の一流銀行や投資会社のほとんどがオフショアに関わっています。トリプルAの格付けを受けている投資会社や銀行が違法行為を果たして行うでしょうか?
メリルリンチ、HSBC、INGベアリング、バークレー、ドイツ銀行、ABNアムロなどの会社がオフショアに事業を持っています。オフショア事業を行うことは違法ではないのです。ごく少数の個人および団体のひねくれた活動がオフショア業界に悪いイメージ与えているわけです。特に9・11のテロ以降、実際にオフショア会社に対してのデューデリジェンス(精査)およびマネーロンダリング・チェックが厳しくなってきています。これにより今後、犯罪者がオフショア業界を乱用することは難しくなるでしょう。



実は、金融業界においてオフショア業界は急速に成長しているセクターの一つと言われています。世界一流のファンドマネージャーやアナリスト達の多くは柔軟性が高く、クライアントに広い選択幅を求め、高給職のオンショアファンドマネージャー職を辞め、自分のオフショアファンドを始めています。

これらすべての結果により、オフショア市場は資産家のみの領域ではなくなりました。今日現在、コストや初期費用の低下によりほとんどすべての方々がオフショアにファンド、投資、銀行口座および会社を持つことができます。しかし入手可能な情報が不足しているなどで、ほとんどの人が開かれているオフショア市場の様々な機会をまだ知りません。


オフショアのデメリットとは?



デメリットとしてはオフショアのプライベートバンキング、口座、投資は本来日本人を対象としたものではなく、欧米や中東の投資家を対称としており、規制の厳しい日本には金融機関との摩擦もあるため進出してこないということがあります。そのため基本的に全ての資料は英語で書かれており、細かい条件を読みこなすことや、質問や手続きをするにも海外に問い合わせする必要があるため、多くの日本人には紹介されていません。



オフショア銀行の特徴は?
 まず一般的に利子課税がないか、著しく低いことがあげられます。ほとんどの銀行が小切手口座とクレジット(あるいはデビット)カードを組み合わせることができる口座を持っており、便利です。小切手の発行は無料の所が多いようです。カードはクレジットカードは有料、デビットカードは無料が多いようです。ほとんどどこでも定期預金口座が開けます。利子は日本の銀行より高めです(利子課税を考えればもっとよい)。ファンドなどを扱っている所がかなりあり、ポートフォリオマネージメントや、一任勘定口座があるところも多いです。ただしこういうサービスを使うには敷居がちょっと高くなります。インターネットバンキングをやっている所は、まだあまり無いようです。連絡や指示は、電話かFAXによるのが普通です。
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アメリカの銀行とどちらが良い?
 もしドル口座が必要でもオフショアにあえて口座を開く理由が見つからない方には、手間がかかるオフショアよりもアメリカの銀行に口座を開くことを薦めます。アメリカの銀行であればインターネット・バンキングができるところが多いですし、また海外居住している非アメリカ市民であれば、所定の手続きをとればアメリカ国内での利子課税は受けません。オフショア銀行は「必要ある人だけが開く」ものだと考えた方が良いと思います。アメリカの銀行に関してはこちらを参照してください。ただし、場合によってはオフショアの方が口座を開くこと自体は簡単なこともあります。アメリカの銀行はアメリカ在住者をとりあえずのターゲットにしているのに対し、オフショア銀行は遠隔地に住む人を最初から対象としているからです。
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オフショア銀行にどうやって口座を開くのか?
 簡単です。
1. 銀行にコンタクトしてパンフレットと申込書を送ってもらう。
2. パンフレットを良く読み、できれば複数の銀行を比べて、開きたい口座があれば、申込書に記入。ただし、定期預金は普通預金口座がないと開けない、といった制限がある所もあるので要注意。
3. マネーロンダリングを防ぐために多くの場合、他行からのステートメント(のコピー)、パスポートのコピーなどの提出が求められます。
4. 口座を開くのは、小切手があれば一番簡単。なければ指定された口座へ振り込みます。銀行によって口座を開いてから振込みを求める所と、振込みを確認してから口座を開く所があります。
5. 小切手帖やクレジット(デビット)カードの申し込みが必要であれば同時に行います。
 オフショアバンクと一口に言っても、例えば小切手口座開設の最低額がUS$2,000のところも75,000のところもあります。最低額が高い所ほど一般的に利子も高いです。またこうした所では、ポートフォリオマネージメントサービスや、オフショア会社の設立サービスなど、プライベートバンク的なサービスを行っています。良く調べて自分の目的にあった銀行を選ぶのが大切です。またイギリス系の銀行では、どうしてもポンド建ての口座が中心になります。ドル建てのカードが無い、なんていうところもありますから注意が必要です。



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